岩手の米
明治期の米づくりは、気候や災害などに左右され豊作とも大凶作ともなる不安定なものだった。大正期以降は、作付面積の拡大や施肥の工夫で収穫量は僅かずつながら増えていった。戦後になって各地のダムが完成し開田が進んだことや、農機具の普及などによって収穫量が大幅に増加し、昭和25(1950)年からは米穀移出県に転じ、昭和40年代後半には県外に出す量が20万t台になった。
平成5(1993)年に本県は水稲作況指数30の大冷害に見舞われた。翌年の種もみ確保のため、沖縄県石垣島で緊急増殖した種もみは、同年、本県初のオリジナル水稲品種「かけはし」としてデビューし、これ以降、岩手と石垣島の交流が続いている。平成27(2015)年には「銀河のしずく」が、翌年には「金色の風」が県オリジナル水稲品種として発表され、食味ランキングで最高評価「特A」を獲得※するなど人気を博している。