明治近代国家のための岩手県の開発 明治初期の岩手県では、県会議堂が完成し、釡石鉄道や東北本線などの鉄道の敷設や道路の建設などが進み、駅や学校が設置された。釡石市では近代産業の礎を築いた官営釡石製鉄所が操業を開始したほか、各地に電話や電気網が巡っていく。 写真 上:岩手県議会議事堂/下:官営釜石製鉄所 第1第2高炉(鉄の歴史館 提供)
大正世界に誇る先人たちの活躍の時代 松尾鉱山の操業や岩手軽便鉄道の開業など、県土の開発がいっそう進む大正期。平民宰相原敬が誕生し、新渡戸稲造が国連事務次長に選出、後藤新平が関東大震災の震災復興計画を立案するなど、県出身者の活躍も目覚ましい。 写真 上:松尾鉱山(八幡平市松尾鉱山資料館 提供)/下:岩手軽便鉄道(釜石市郷土資料館 提供)
昭和広い県土の暮らしを守る使命の県政 金融恐慌で幕を開け、三陸大津波が沿岸部を襲った昭和初期。第二次世界大戦中は盛岡市や花巻市、宮古市などが空襲を受けたほか、釡石市が艦砲射撃の被害を受けた。戦後はダム開発や地域開発のほか、県立病院の発足、教育振興基本計画の策定など、県政の特色が打ち出されていく。東北自動車道や東北新幹線の開通、いわて花巻空港の開業など高速交通の発展に加え、昭和45(1970)年の岩手国体に向けて主要道路の整備促進が図られたことも、その後の県勢発展に大きな役割を果たした。 写真 上:新日鉄釜石ラグビー(釜石市 提供)/下:艦砲射撃による被害(釜石)(釜石市 提供)
平成 オールいわてで岩手の力に 先端技術産業の集積や産業構造の高度化により、平成は更なる飛躍の時代となっていく。地場産業の育成や観光振興、国際交流など地域のさらなる発展のため、「三陸・海の博覧会」や「アルペンスキー世界選手権 」など 、多くの全国的・国際的なイベントが行われた。平成23(2011)年に発生した東日本大震災津波からの復興に岩手の底力を発揮し、官民一体となって取り組んでおり、平成28(2016)年の「希望郷いわて国体」で、震災復興に向かう姿や支援への感謝を全国に発信した。 写真 上:毛越寺大泉が池/下:東日本大震災津波 ごう音とともに市街地へ流れ込む津波(宮古市 提供)
令和そして、時代は「令和」へ。 令和の岩手を象徴するのは、世界に羽ばたく若手アスリートたちの大躍進。文化の面でも直木賞・芥川賞の受賞者や候補者を輩出するなど、様々な分野で世界の第一線で活躍できる岩手になってきています。 令和4年度から令和8年度は県政150周年記念期間。本県発展の礎を築いてきた先人たちの偉業と努力に感謝し、ふるさと岩手に思いを寄せ、岩手の未来を展望していく機会としていきましょう。 写真 上:北京冬季五輪金メダリスト小林陵侑選手(土屋ホーム 提供)/下:小岩井農場の一本桜(小岩井農場 提供)