岩手県政150周年

Historyいわての150年

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Agriculture農業

広い県土、
多様な気候風土に合わせた、
美味しく安全な農畜産物

岩手の米

 明治期の米づくりは、気候や災害などに左右され豊作とも大凶作ともなる不安定なものだった。大正期以降は、作付面積の拡大や施肥の工夫で収穫量は僅かずつながら増えていった。戦後になって各地のダムが完成し開田が進んだことや、農機具の普及などによって収穫量が大幅に増加し、昭和25(1950)年からは米穀移出県に転じ、昭和40年代後半には県外に出す量が20万t台になった。
 平成5(1993)年に本県は水稲作況指数30の大冷害に見舞われた。翌年の種もみ確保のため、沖縄県石垣島で緊急増殖した種もみは、同年、本県初のオリジナル水稲品種「かけはし」としてデビューし、これ以降、岩手と石垣島の交流が続いている。平成27(2015)年には「銀河のしずく」が、翌年には「金色の風」が県オリジナル水稲品種として発表され、食味ランキングで最高評価「特A」を獲得するなど人気を博している。

※銀河のしずく

岩手の畜産

 岩手は全国有数の畜産県で、乳牛は全国第4位、ブロイラーは全国第3位の産出額となっている。明治24(1891)年に創設された小岩井農場は、国内最大級の民間農場であり、日本の乳牛の改良や岩手の酪農振興に大きな役割を果たしてきた。肉用牛の飼養は昭和初期に導入されて以降、改良や肥育技術の向上が進み、「いわて牛」ブランドの確立や消費拡大に取り組んでいる。
 また、古くから国内有数の馬産地であった岩手では、チャグチャグ馬コや南部曲り家、競走馬の育成や岩手競馬の開催など馬事文化が今も残っている。

※令和3年実績

岩手のりんどう、りんご

 出荷量全国第1位を誇る岩手のりんどう。県では、りんどうについて、オリジナル品種の開発を進めている。近年では「いわて八重の輝きブルー」のような、これまでにない八重咲の品種の開発にも力を入れている。
 明治5(1872)年に盛岡でりんご栽培が開始され、岩手のりんごは、出荷量全国第3位。近年は、濃い紅色が特徴の「紅いわて」や、甘味が強く蜜入りが良い「はるか」なども人気。「ふじ」の原木が盛岡市にあることも知られている。農薬と化学肥料を半分以下に抑えた「特別栽培りんご」をはじめ、全国で唯一、アメリカやカナダに輸出されている。

※令和3年実績

年表

明治5(1872)
盛岡でりんご栽培が開始
明治24(1891)
小岩井農場創設
明治31(1898)
種馬厩(現:農業研究センター畜産研究所)開所
明治34(1901)
農事試験場(現:農業研究センター)開所
大正7(1918)
米価高騰による米騒動発生
昭和10(1935)年ころ
南部甘藍(キャベツ)の出荷量が全国1位達成
昭和22(1947)
カスリン台風で農作物に大被害
昭和24(1949)
土地改良法による水田の区画整理等が開始
昭和25(1950)
岩手県立農業試験場大迫葡萄試験地を創設
昭和45(1970)
「畜産500億達成運動」開始
昭和46(1971)
米の生産調整(減反政策)本格開始
昭和60(1985)
第8回全日本ホルスタイン共進会開催(滝沢村(現:滝沢市))
昭和61(1986)
全国肉用牛枝肉共励会において前沢町農協(現:岩手ふるさと農協)の出品牛が本県初の名誉賞受賞
平成元(1989)
りんどうの出荷量が初の全国1位達成
平成5(1993)
大冷害となり、沖縄県石垣島で種もみ緊急増殖事業実施
平成5(1993)
本県初のオリジナル水稲品種「かけはし」誕生
平成9(1997)
第7回全国和牛能力共進会開催(滝沢村(現:滝沢市))

❶外山牧場獣医学舎(現:盛岡農業高等学校)内丸に移転した学舎

❷盛岡高等農林学校(現:岩手大学)大正期の様子

❸山王海ダム

❹県立農業短期大学校(現:県立農業大学校)

❺岩手県初のオリジナルりんご品種「きおう」

❻岩手県農業研究センター

❼県オリジナル水稲品種「銀河のしずく」

❽県オリジナル水稲品種「金色の風」

説明文や年表に記載の日時と掲載画像の撮影時期は異なるものがあります。