五大ダムの整備がもたらしたもの
五大ダムは地域の重要な歴史的土木構造物として評価され、令和3 (2021)年度の「土木学会選奨土木遺産」に認定された。
大正期の物部長穂博士による多目的ダム計画論に始まり、一関市出身で戦災復興院総裁を務めた阿部美樹志らの尽力もあり、昭和28 (1953)年「北上特定地域総合開発計画(KVA)」が閣議決定。治水から農地開発、都市計画、発電等の事業により、いくつもの役割を持つ五大ダム。洪水抑止と産業発展を担うこの水源地開発は、地域の悲願でもあり、国と県を挙げた大事業であった。
岩手の土台を作り上げた先人たち
初代岩手県知事の国分謙吉と二代目知事の阿部千一の連携が、五大ダムを含む戦後岩手の土台を作り上げた。県立病院の体制づくりのほか、県庁舎、いわて花巻空港などがこの時代に整備されている。