岩手県政150周年

Historyいわての150年

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Social Capital社会資本の整備(クローズアップ)

災害に備え、地域の産業、経済を発展させるため
社会資本の整備が行われてきた150年

五大ダムの整備がもたらしたもの

 五大ダムは地域の重要な歴史的土木構造物として評価され、令和3 (2021)年度の「土木学会選奨土木遺産」に認定された。

 大正期の物部長穂博士による多目的ダム計画論に始まり、一関市出身で戦災復興院総裁を務めた阿部美樹志らの尽力もあり、昭和28 (1953)年「北上特定地域総合開発計画(KVA)」が閣議決定。治水から農地開発、都市計画、発電等の事業により、いくつもの役割を持つ五大ダム。洪水抑止と産業発展を担うこの水源地開発は、地域の悲願でもあり、国と県を挙げた大事業であった。

岩手の土台を作り上げた先人たち

 初代岩手県知事の国分謙吉と二代目知事の阿部千一の連携が、五大ダムを含む戦後岩手の土台を作り上げた。県立病院の体制づくりのほか、県庁舎、いわて花巻空港などがこの時代に整備されている。

国分謙吉、阿部千一

復興道路がつなぐ東北

 復興道路等は、東日本大震災津波の復興のリーディングプロジェクトとして、かつてないスピードで整備が進められ、発災から10年目の令和3(2021) 年12月に全線開通した。

 復興道路の整備により、新たな道路ネットワークが構築された。都市間の所要時間の大幅な短縮により、物流、観光、救急医療、防災など様々な面での効果を発揮している。また、沿線に整備された「道の駅」は、道路利用者に休憩機能等を提供するとともに、復興道路と一体となった観光振興等の効果が期待されている。

鉄道と空路で拓かれる岩手

 東日本大震災津波からの復興を遂げ、平成31(2019)年に日本最長の三セク鉄道となった三陸鉄道リアス線や、平成14(2002)年に開業したIGRいわて銀河鉄道などが、県民の生活を支えるとともに観光資源にもなっている。

 いわて花巻空港では平成30(2018)年に花巻−台湾間で初の国際定期便が開設。世界に開かれた玄関口としての活用が期待されている。

日本の鉄道の礎を作り上げた岩手の先人

 初代鉄道院総裁を務めたのが奥州市出身の後藤新平であり、第二代総裁は原敬であった。
 原は地方鉄道網の延長に力を注ぎ、これが今の日本の鉄道網の礎となっている。